香港について勉強を

今月24日から3泊4日で、香港を視察して参りました。街をぶらぶらして物見遊山もいいのですが、実際に林立する高層ビルの中に入って現地のビジネスマン(ウーマン)と交渉したり、話を詰めたり、また解説や説明を受けたりすると、普段あやふやな問題も明晰になったりすると、いい勉強になったなと自己満足しています。

香港訪問の目的は二つあります。以前から訪問したい上場企業があって、アポイントがこの時期になったため訪問が実現したこと。普段よく「○○さんが○○で投資していると聞いた」とか「こういうやり方があると聞いたが、アドバイスしてもらえないか」とか「一人で言葉も通じないし、不安なので関係者を紹介してくれないか」などと様々なご相談を受けます。

実際に現場でも国際情勢の影響や時々の担当者の判断など対応が変わってきますので、1+1=2という単純な図式で説明できないこともあって皆様に現場に行ってもらって説明を受けてもらった方が一番手っ取り早いことだと、今年2度目の実務ツアーを企画しました。

自分でも情報の更新と、皆様には第三者的な立場ではなく、当事者として一時情報を仕入れてもらいたいのが本音です。

中国株投資家にとって「深港通」は見逃してはならない一大イベントです。「深港通」の特徴の一つに、投資できる対象が絞られることです。私たち海外投資家は香港上場の株式ならどの銘柄でも投資できますが、「深港通」は時価総額50億HKD以下の株を排除しています。証券取引所としては公平公正の立場なので、排除の理由を公にできませんが、小型株には、「小型」に留まっている理由があることは業界で言わずと知れたことです。特に内陸からの上場会社ではなく、香港本土の会社は「セント株」として敬遠されています。

ご承知の通り、香港経済は財閥数社の独占で支配されています。かつてあった中小零細の加工業も内陸に移転するか閉鎖に追い込まれ、現在海運業や不動産、金融、小売りなどサービス業に支えられるような状況で、多くの現地企業が本業の伴わない「殻の会社化」し、衰退の一途を辿るばかりです。

香港経済の先行きの見通しはどうなるのか、人民元国際化と資本市場開放の窓口としての香港の役割はどう変化するのか、香港経済と税務、法人運用、不動産、信託などに精通する専門家を日本に呼び特別講演会を行うことになりました。多忙で現地に足を運ぶ時間の取れない方、専門書や新聞を読んで様々な質問を抱えている方は、どうぞご参加ください。

講演会のQ&Aの後に、「深港通」のターゲットと香港市場の落とし穴について解説したいと思います。開催は9月4日(日)です。関心のある方はお問い合わせください。

 

 

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