大きな穴か 下り坂か 「新華財経速報」とは

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 米株式市場の3大指数は10日、いずれも大きく上昇しましたが、前日(9日)の暴落はやはり世界の株式市場にも記録される「大事件」となりました。米市場にサーキットブレーカー制度が導入されたのは1988年でいままで唯一の発動は1997年10月27日だったのですが、2020年3月9日のダウ平均は前日比2013.76ポイント、率にして7.79%の暴落でついに史上2度目の発動となったのです。この日はたまたま米市場のゴールデンの11年目と重なったことも偶然のことでしょうか。当社主催の「中国勉強会」で「2009年3月9日、当時のオバマ米大統領は、米経済が金融危機の影響から脱出し、これから好転して株式投資のチャンスになると発言した」と報告しましたが、参加者からは「オバマさんがそう仰ったのですか」と念を押されたことを記憶しております。オバマ氏の発言について皆様が各自で検索すると情報が出てくると思いますが、9~10日にかけての米市場のジェットコースター相場が中国株でも2016年には経験しましたが、制度設計のミスもあって中国市場のサーキットブレーカー制度は実施してわずか一週間で廃止となったのです。
 米市場の暴落は原油価格の暴落に起因していることは間違いないが、統計では、S&P500が暴落すると、同年の大統領選で現職大統領がいずれも落選していることが明らかにされています。その為もあって当選が第一の要務として考えているトランプ大統領がすぐ様対策を発表したことも理解できることです。
 一方、新型コロナウイルスによる肺炎の感染が世界的に拡大していることも同時株安の原因の陰の立役者であることも言うまでもありません。その中で、中国武漢の臨時医療施設「方艙医院」が95名の患者が治癒して退院し、最後の「武昌方艙医院」が10日付で閉鎖されたと新華社通信が伝え、新型肺炎との闘いの初期段階の勝利を収めたと配信されています。
 恩師、邱先生は、株式投資でホテルや航空会社から敬遠すると予てから指摘されています。競争が激しい業界であるだけでなく、宿泊費や航空運賃もすべてガラス張りで薄利の他、アクシデントがある度に株価が暴落を免れないからだというのがその理由です。今回のコロナウイルス感染症の発生後、このコラムでどの業界に注目し、またどの業界から敬遠すべきかを早速取り上げさせて頂いています。ハンセン指数が年初の29000台から現在の25000台まで下落していますが、このコラムで取り上げた銘柄はまったく押し目買いのチャンスをくれない状況を見てみると、私の認識の方向性はまず間違っていないことの証明ではないかと自負しています。
 新型肺炎は世界で猛威を振るっていますが、中国では終息の方向です。中国経済に対する影響は成長途中の道(プロセス)に大きな穴(アクシデント)をあけてしまったことで、決して先の見えない下り坂ではないと認識しています。穴から這い上がったら再び成長する道に戻るだろうと考えます。
 さて、コラム定期購読更新の時期です。マクロの視点から中国経済を鳥瞰する「新華財経速報」ご購読の方に、引き続き「徐さんの中国株」の無料会員とさせていただきます。既存の会員には近日中に、新規購読の方は上記案内かお問い合わせのページからメッセージを送ってください。ご案内申し上げます。
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