環境はエンドレスの課題

第13回京華投資視察団はいよいよ来週に出発します。今回は業界の勉強も兼ねて、合計6社を訪問することになっています。

視察団の訪問企業について、半年ほど前から調べ、3ヶ月ほど前から順次コンタクトをして日程などを決めていくのですが、企業により直前にならないと役員のスケジュールが決まれないということで、以前から打診していた深センに本社のある環境関連の会社から今朝訪問承諾の返事をもらいました。

中国では経済の構造転換など喫緊の課題はたくさん抱えていますが、環境問題ほど官民ともに、また指導部、役人が交替しても、解決に取り掛からなければならないと共通した認識を持つセクターはありません。

現在、第13次五か年計画を策定中の五中全会が北京で開かれています。第13次五か年計画は今後5年間の経済成長の目標など策定されますが、具体的には経済成長の維持、体制メカニズムの改革、構造転換、イノベーションによるけん引など十大任務の達成を打ち出されていますが、十大任務の内、半分以上はマクロ的目標で、具体的セクターに関しては、「農業近代化の加速」と「生態文明作り」の二つに留まっています。その内「生態文明作り」を細分化しますと、ずばり環境整備だと理解することが妥当かと思います。

環境関連を更に細分化しますと、ゴミや工業廃棄物の処理、水処理、空気清浄、クリーンエネルギーなどとありますが、クリーンエネルギーや空気清浄については「工業的豊作貧乏」の競争スパイラルに巻き込まれやすい業種で苦戦を強いられる企業が多いこともまた事実です。しかし、ゴミや工業廃棄物、また下水などは処理してもまた出てくるエンドレスの処理が必要とされる業種で、これまで訪問した「北控水務」や「光大国際」、「中国水務」などその後の株価の推移を見ても成長産業だと言うことが分かります。

さらに、環境汚染について、これまで政府の方針としては、汚染した企業を罰金→汚染した企業が責任を持って処理すること→第三者(専門業者)処理へと処理能力を持たない汚染企業が製品のコストの一部として費用を負担して専門業者に任せると言う方向転換に切り替えたので、処理業者のチャンスがますます増えてきていると言えます。

またゴミや工業廃棄物、水処理などは公的事業の性質も持つもので、政府から売上金の回収や政府から補助金を受けるなど、安心して投資できるセクターの一つだと考えます。

環境関連企業の上半期の決算も出揃いました。GDP7%成長の中で、関連企業は平均40%という成長を達成しています。その中で昨年対比で売上高が60%以上、純利益が200%以上伸びた企業を11月11日(水)深センで訪問致します。一日だけで製造業も含めて合計3社を訪問しますが、視察団と一緒にこれらの企業を訪問したい方はどうぞお問い合わせください。

ポートフォリオに環境関連を一つ盛り込みたい理由の一つに、環境はエンドレスに続く問題だからです。

 

 

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