「上海棟華」は「大生農業金融」に

「大生農業金融」(1103)は3月31日公告を発表し、監査法人から2015年度の本決算を完成させるには、もう少し時間を要するという理由で、配当金の有無などを決める董事会(役員会)は期日通り開催が出来なく、4月1日から同社株式の取引停止を香港証券取引所に申請したことを明らかにしました。

「大生農業金融」の社名について余り馴染みのない投資家の方も多いかと思いますが、しかし「上海棟華石油」と言ったらピンと来る方も多いことでしょう。先日の勉強会でもまた当社へのメッセージでも同社について複数お問い合わせを頂いておりますので今日、特別に取り上げることにしました。

全く畑違いの社名で同じ会社とは思えないかもしれませんが、「大生農業金融」とは「上海棟華石油」から社名変更した会社で、同じ会社のことです。

2006年、2007年と2009年の考察団で、3回に渡って現在の社長で当時董事会秘書を務めていた莫氏に上海の会場に来てもらって同社について説明をしてもらいました。

同社はアスファルトの輸入販売から石油精製、道路、橋梁の工事などを手掛ける会社で、2005年7月香港GEM市場に上場していましたが、2012年7月メインボードに鞍替え上場に成功し、証券コードは「8251」から「1103」に変わり、2014年4月、深センにある大生農業集団を大株主として迎え入れ、昨年7月の株主総会で社名を現在の「大生農業金融」に変更する提案があり、証券取引所の認可もあって今年の2月1日から社名を正式に変更しています。

今回の取引停止の理由について、本決算の発表が期日通りできないとのことですが、直近の決算は昨年12月に発表した11月までの業績予想で、純利益は本業の石油関連製品の売上高増とコスト削減で30%以上の純利益を計上すると見込まれていました。

遡って2013年の本決算では、現金配当のほか、大株主を迎え入れるための布陣と思われる株式の無償交付を実施し、2014年も同様の無償交付を実施しています。

大株主を迎え入れた後、同社は「政府が進める農業と農産品販売システムの改革というタイミングで、インターネットとモノのインターネット(IoT)技術、革新的金融を駆使し、内陸の農産物流通システムの構造転換を図り、近代的でスマートな農産物卸売りマーケットの運営と管理を主業とするプラットホームをつくること」(蘭華生新会長)を目標に掲げています。

社名変更に伴い、業態を変更し、農産品の流通システムの構築を卸売プラットホームと、そのための情報技術とデータセンター、更に金融サービスプラットホーム作りから着手することにしていますが、業態変更後の初めての本決算でどのような結果が出るのか特に利益を出している石油関連製品の取扱いなどについてどのような判断が出されるかは注目されます。

 

 

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