お年玉の節約ができなくなった

日本のお正月は西暦1月1日からで、中華圏では、

春節(旧正月)を新年の始まりとして年中行事の最重要な祝日として取り扱われています。

旧暦を使用しているため、春節の大晦日やお正月の日は毎年変わります。

今年はちなみに1月28日が旧正月の元日(春節)となります。

 

お正月と言えば、お年玉!この記事を読まれている方の大半は

お年玉を配る方に回されていると思いますが、いまだお年玉をもらっている方が

いらっしゃればぜひ教えてほしいと思います。

「日本のお正月の時には中国に、中国のお正月の時には日本にいるように」と

邱先生は著書や講演会で触れていることを記憶にある方も多いかと思います。

その理由はと言うと、「お年玉を節約できる」と

軽快な口調でしゃべりますので会場はその時いつも笑いの渦に包まれます。

 

そのような知恵でお年玉を節約できた時代もありましたが、しかし時代の進化とともに、

いま世界中どこに「逃げ込んでいても」お年玉の節約ができなくなってしまったのです。

 

FinTech(フィンテック)のお蔭です。

フィンテックという言葉が日本で使われたのは2014年の日経新聞が初めてだと言われます。

金融(Finance)と テクノロジー(Technology)を合体させた造語で、

今では普通に新聞や報道に使われるようになっています。

 

最近、Apple PayのCMが頻繁に登場するようになりましたが、

モバイル決済で先陣を切り、ユーザー数でも世界のトップを走るのはテンセントとアリババです。

テンセントの微信紅包(WeChat Lucky Money)の登録ユーザー数は世界中で

8億を超えているということで、友人や家族、同窓会などWeChatに様々な交友グループがあって

大晦日になると、先輩は後輩に、大人は子供に、商売でお金持ちになった人は友人になど

微信紅包をお年玉として配るわけです。2016年旧正月の大晦日に80億個、

元日から5日までの5日間で321億個の紅包が配られたと統計で明らかになっています。

 

商家も自社商品、セールの案内など微信紅包を利用する場合もありますので、

今年は更に増えるのではないかと推測されます。

微信紅包はWeChat payアプリの一つで、スマホを利用すれば登録も使うのもボタンで済むので快適です。

2016年春節の期間中、204ヶ国の登録ユーザーが微信紅包を出したというので、

その国にいないから「お年玉節約」はもう通用しなくなったのです。

 

フィンテックのみならず、AI(人工知能)やVR(仮想現実)、 IoT(モノのインターネット)など

ハイテクノロジーの運用が今年、2017年のテーマになるだろうと考えます。

株式市場でもそのような企業の発掘がすでに始まっていますので、

皆様もどうぞ今年はご一緒に注目してみては如何でしょうか。

 

 

 

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