インド 投資家に人気の産業は?

「ムンバイ証券取引所(BSE)は今年140周年を迎え、アジア一古い証券取引所で、現在の上場会社は5400社、ドレードシステムはドイツから導入したテクノロジーで、取引高は世界で10番目の規模だ。外国人も直接インド株が買えるようになり、日本語のWEBページを間もなく開設する」BSEのHead Strategy Shankar Jadhav氏が視察団のメンバーを前にしてこのように同証券取引所の歴史と現状を紹介してくれました。


「今日私が案内するから写真は大丈夫」とShankar Jadhav氏

10年ぶりのムンバイですが、高層ビルから見下ろすとどこも黒ずんだ屋根だった市内には高層ビルがずいぶんと立ち並ぶようになったのが第一印象で、駐車場にバスを止めると、10数人もお母さんやその子供が物乞いに集まってきたのですが、今回は観光地のインド門やムンバイ駅またはレストランの前などで駐車しても物売りはいたものの、物乞いは一人も見かけていないのが驚いたものです。

しかし、空港のセキュリティはどこも変わらないものの、滞在したTrident Nariman PointホテルやBSEの入り口、観光地インド門なども出入りする度にボディーチェックが課せられるのはインドなりの事情があるものだなと感じました。

「インド市場の45%は外国人投資家で、税制は現地並みにあるが、海外送金には一切制限がない」と紹介してくれるJadhav氏に、投資家に人気の業種や将来性のある産業について聞いたところ、人口の約50%が20~40代なので、若い人口に照準を当てた投資先や不動産、自動車、ナノテクノロジー、ロボット、IT関連などのほか、ディフェンス(防衛産業)を挙げてくれたことに少々意外に感じました。

そういえば、これまで上海や深セン、ブラジル、ベトナム、スリランカなどの証券取引所を見学しましたが、施設内外を含め写真はご遠慮をと言われるのがBSEは初めてでした。その理由も確認したところ、BSEは周辺一の高層ビルで、海側を見てみると、同国の空母や軍艦が近くの港に停泊しているのが目に入ったのです。どこに軍関係者や警察が監視しているのかわからないというのが写真禁止の理由のようでした。インドにとって、自国インフラ整備のほか、周辺国との紛争に備えて軍備の強化も余儀なくされているのだということを間近に感じさせられた取引所の訪問でした。

 

 

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