テクノロジーで信用確立へ アント・グループ

 商売で難しいのは契約(注文)を取り付けることではなく、売掛金を最後まで回収することです。商社時代、売掛金の回収は6カ月後になるのも珍しくなく、それでもあまり信用のない顧客には「現ナマ」以外、売掛さえしないのも日本的慣習で信用は商売の根本であることは浸透されています。営業マンが一生懸命セールスして、顧客から「よし、分かった」の一言で、99%契約成立を意味するものですが、中国では、食卓で乾杯して「よし、お宅のモノを買う」と大きな声で約束しても、商売はまだスタートライン。回収にはさらにその百倍の労力を要します。アント・グループはその信用問題を解決しようとするところに企業価値があるものと考えられます。

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金融インフラと成長したアント・グループ

 中国株式市場でアント・グループの上場計画がヒートアップしています。当社にもアント・グループの上場に関する問い合わせも相次ぎ、会員との数少ない面談でもその話題で盛り上がるなど日本の証券会社でも顧客に「推奨」しているのではないかと推測します。このコラムで「上場準備のための改名か 螞蟻金服から螞蟻科技へ」や「テクノロジーで勝負のアント・グループ」などで同社を紹介していますが、IPOが迫る中、もう少し判断材料を紹介したいと考えます。

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香港市場史上最高の公募価格 百勝中国

 米に上場しながら、香港市場に「回帰」した「中国概念株」として百勝中国が10日香港で株式を公開しました。傘下にはケンタッキーやピザハット、小肥羊など内外ブランドの店舗数は9954店(2020年上半期)を有しています。当社「中国投資視察団」で、雲南省の麗江を訪ねた際、商店街に「KFC」の看板があってその横に少数民族の一つナシ族に伝わる、象形文字のトンバ文字(東巴文)も並べられているのを見つけ一同驚いたことがあります。「生きた象形文字」を目撃したこととこんな田舎町にも外食チェーンが展開されているんだという二重の驚きがあったのです。


麗江の商店街にあるKFCのお店。左は同店を示す東巴(トンパ)文字

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タイミングが悪かったのでは、百勝中国

  「ミネラルウォーターを飲みながらケンタッキーのフライトチキンを食べる」。中国の投資家間でこんなジョークが飛び交っています。今月8日、ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉(9633)が香港市場で株式を公開したのに続き、10日、外食チェーン大手の百勝中国(9987)が米上場の「中国概念株」として二次(重複)上場を果たしました。しかし初値で農夫山泉の85%高に対して百勝中国は公募価格比で0.49%マイナスでスタート。終値で5.29%安の390.2HKDで、いままでの回帰株の人気ぶりは見られませんでした。

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