後発だが、猛追するQテクノロジー

2015年6月に開催された第11回投資視察団で、上海近郊の昆山で丘鈦科技(集團)有限公司を訪ねました。同社英文名はQ Technology (Group) Co.,Ltd.なので、本社ビルフロントに「Q Tech」と書いてあるのを見て、「ここはQグループの会社ですか」と参加者の方に聞かれました。たまたま同じ発音のQなのですが、Qグループとは一切関係のない会社だと説明しました。

Qテクノロジー

同社は2007年創業者の何寧寧氏により起業され、2014年5月丘鈦科技(集團)として設立されて同年12月に香港に上場したスマホやタブレットのカメラモジュールを作るIT企業です。同業者に「舜宇光学」(2382)、信利国際(0732)、欧菲光(002456)など大手が並び、後発メーカーとしてシェアを取りつつ、中国の大手スマホメーカーの上位5社すべてに納入を叶え、先発を猛追しています。

昨年8月、中間期決算の増益発表を受け株価が動意を見せ始め、会社訪問後も同社の動きを追跡していた当社ですが、その後9月6日と10月11日付「京華メルマガ」で同社を取り上げています。

そのメルマガの内容をおさらいします。

2016年9月6日付メルマガ
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Qテクノロジー 株価急騰
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スマホやPC搭載カメラモジュール製造のQテクノロジー(1478)の株価は8月に入ってから買われ、昨年6月以来の高値を更新した。

同社は8月18日、6月までの黒字転換の中間決算を発表し、純利益は昨年比30.44%増の8219万元であることを明らかにした。

中国メーカーによるスマホの製造販売が好調のため、第2四半期同社主力の800万画素カメラモジュールの出荷は昨年比268%増の2690万台で昨年第4四半期よりも17%増となっている。

カメラモジュールのほか、スマホ製造大手の華為、シャオミ―、OPPOには指紋認証モジュール業務でも提携し、下期から納入し同社粗利の改善に寄与することが期待されている。

カメラモジュール業界の一位は舜宇光学(2382)で株価は41.50HKD(PERは49.77)まで買われている。 

当社視察団で同社を訪問したのは2015年の6月。その後株式市場の乱高下で、当時3.1HKD台の株価はその後1HKDを割り切る場面もあり、カメラモジュールのほか、車載カメラや人体認証モジュールなどの開発がやっと軌道に乗り、市場でも認められるようになったと言えよう。 

中間期決算の黒字転換もあって、一年振り高値まで買われているが、PERは27.53で、同業者よりまだ安いレベルにある。ただ、8月に入ってからすでに80%以上も急上昇しているので要注意である。

同社時価総額は現在34億HKDで、最低ライン50億HKDの「深港通」の対象から外されているが、同社はどのような株価対策に出るのか、注目したい。                     <続き>

 

 

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