プレミアム価格差株

「AHプレミアム指数」を聞いたことがありますか。数ある指数の中の一つですが、A株とH株との比較に使われる指数のことです。

同指数は香港ハンセン指数サービスが2007年7月9日に発表されたもので指数の構成銘柄の時価総額や為替などの要因を加重平均してプレミアム価格(または割引価格)を計算したものです。指数の数字が高いほどA株がH株に対して割高で、H株が割安で投資する価値があるのでは、との参考指標の一つです。

発表当日の指数は133.24ポイントで、これを言い換えれば、A株がH株に対して全体的に33.24%割高と言う意味で、2008年1月22、指数は最高の213.47に達し、A株は世界の株式市場と乖離し独歩高を演じていたのです。

そして2010年6月の中旬ごろ、同指数は創設以来100ポイントを割切った場面もあり、A株がその間低迷を続けていたことが裏付けられたのです。

A株とH株は取引通貨や投資主体(機関投資家か個人か、外国資本か現地資本か)、好みなど市場の構成要素がそれぞれ違いますので、一様には言えませんが、指数が誕生して平均130~131ポイントで推移してきましたので、140でも超えると、A株は割高になっていると市場で判断されます。

そのプレミアム指数は昨日、1.56%下落して130を割切って129.27ポイントと昨年11月4日以来の低い水準で、割安のH株が急上昇し、A株に接近してきていることを示しています。

香港市場に資本が流入していることを当社ホームページ「News & topics」コーナーでも取り上げていますが、2015年10月28日から今月12日まで、上海・香港直通車経由106営業日連続の買い越しであることが明らかになっています。

前回のブログ「風立ちぬ」でも触れていますが、21日付けでAH同時上場の洛陽ガラスは7.06倍、山東墨龍は3.53倍、浙江世宝は3.34倍、洛陽モリブデンは3.06倍、東北電気は3倍とA株がH株より現在も株価に開きを残しています。

では、どのような資本が香港に流れていると思われるのでしょか。

香港証券取引所の李小加総裁は「世界中の資産のうち、最大の部分は、世界的に資産配置をしていない中国資本である」と中国資本への期待を述べています。

また、中国外為管理局の王春英報道官は昨日(21日)の定例記者会見で、第1四半期の資本流出の概要を紹介し、市場から引き続き資本が流出しているが、規模が縮小の傾向にあることを踏まえ、予測とコントロールできる範囲内にあるとした上で、流出の原因の一つに、国内と国際マーケットにおける中国企業と家計部門の資産配置のニーズが高まっていることを挙げています。

世界中の投資資本のほか、米㌦に対する元の切下げによる為替差損をヘッジするためにも、元資産を外貨(米㌦や香港㌦)資産に替えること、その窓口は香港であることに変わりはないことでしょう。

プレミアム付きの価格差株を狙うのも手の一つです。

 

<中国投資視察団のご案内>

6月の視察団は12日から18日までの6泊7日で、北京、石家荘、蘇州、上海を回って会社を訪問。参加者募集中で、ご希望の方は当社ホームページより詳細をご確認頂けます。久しぶりにという方もぜひご参加ください。

 

 

徐さんの中国株の最新記事