企業家の目から見る中国経済

第13回京華投資視察団が5日からスタートし、昨日北京に入ってその足で会社訪問に向かいました。今回は現在と今後の中国経済、株式市場を理解するのに大いに役に立つだろうと思われる業界、業種の企業6社を訪問することにしています。

「株式投資は経済を眺める窓口である」と邱先生はかねてから仰います。その経済を理解するのに最も手っ取り早い方法は企業訪問で経営者のお話を直接聞くことと現場をこの目で見ることだと考えます。

先月、習近平氏がイギリスを訪問して北京に戻ったすぐ後に、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領が相次いで北京を訪れました。首脳の表敬や世界遺産の観光で終わる公式訪問と違い、それぞれの訪問団には企業家も大勢同行し、商談に臨んでいます。

オランド大統領の中国訪問中の3日、「中国企業家クラブ」(CEC)主催の朝食会に出席しました。朝食会には聯想集団(レノボ)の柳伝志、アリババのジャック・マー、万達集団の王健林、復星国際の郭広昌、CEC理事長の馬尉華(前招商銀行頭取)など中国の企業家が出席し、中国経済の現状や中国企業の海外投資などについてそれぞれの立場でその見通しを述べました。第一線で活躍し、中国の代表的企業の経営者たちが現在の中国経済をどのように見ているのか、その発言の要旨をお伝えすることにします。

なお、朝食会の後、「恒例」のごとく、かつてイギリスのキャメロン首相と携帯電話で自撮りをしたアリババのジャック・マーは今回さらに自撮り棒を持参し、出席者とともにオランド大統領を囲んで写メを撮ったことでも中国で話題となっています。


オランドフランス大統領を囲んで自撮り  (CEC Webより)

朝食会はジャック・マーの司会により行われ、最初に登壇して発言したのは、IBMのPC部門を買収したレノボの柳伝志会長でした。柳会長は、「本日出席の中国の企業家は、各業界を代表する経営者ばかりで、10年、20年、さらに30年前にそれぞれ企業を興し、その多くは一代目でゼロから会社を築いてきた人たちばかりだ。

司会のジャック・マーはいま中国では知らない人がいないくらいの有名人で、その知名度は有名女優よりもはるかに上回っている。しかし20年前、ジャック・マーはごく普通の英語の教師だった。また出席者の中には、現在長者番付一位の王健林はいるが、王は退役軍人だった。私も中国科学院のご普通の職員だったのだ。30年前、中国の改革と開放のお陰で、我々を縛っていた紐が解かれた。

いま中国政府は世界に向けて改革と開放を継続していくことを宣言している。これはつまり理にかなわない規則や制度がさらに見直され、企業や経営者をめぐる環境は今後ますますよくなることを意味する。

近年、中国の民間企業は多くの資本を蓄えることができた。政府の奨励で、我々は世界各国で投資をし、業務を展開してきた。とりわけ自社の業務と互換性のある投資を行い、する側もされる側もともに発展できるよう努力している。

例えば、復星集団がフランスのClub Medへの投資で、同社の中国での業務が急速に伸びたことによって、上半期の同社の利益は40%も伸びたという。これは一つの例に過ぎないが、中国の企業家は情を重んじ、オランド大統領の人格的魅力で海外投資先を選ぶ際、同じような環境と条件なら真っ先にフランスを選ぶことになるだろう」とこのように述べている。            <続く>

 

 

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