ゲーム産業に生命力が 公開日に75%急騰の銘柄

 コロナ禍の影響で、毎年恒例の中国広州交易会や華東交易会などはすべてオンライン化した中、16日「中国国際コミックス&ゲームエキスポ(CCG EXPO)2020」は上海の世博展覧館(SWEECC)でリアルで開幕しました。中国文化・観光省と上海市政府が共同で主催する、中国発の国際的アニメ・ゲーム産業の博覧会で、ウイズコロナの中、世界中から16回目を迎える今年は250社が出展。「国産アニメやゲームが海外勢を抑えて初めて一位」と16日夜のテレビ東京WBSでも取り上げられ、中国のアニメ、ゲーム産業が世界へ進出する時代となっています。

 ゲーム産業の最大手と言えば、テンセント(0700)。そのテンセントも出資した会社が15日、香港証券取引所で株式を公開しました。祖龍娯楽(9990)です。公開前日の「ダークプール取引で56%高」と当サイト「中国経済News & topics」で速報しましたが、公開日の15日、公募価格11.60HKDに対して46.55%高の17.00HKDの初値を付けた後、買い越しが勢いを見せず最高で20.60HKD、終値で75%高の20.30HKDで初日の取引を終えたのです。

 同社上場を見据えて今月1日「IPOに備えよう」に続けて3日「テンセントと持ちつ持たれつ」と2回連続で同社をご紹介しています。コラムでは同時期にIPOする他社のコメントもありますので全公開はできませんが、祖龍娯楽に関する部分を一部公開します。

 「先月27日、テンセントは年内リリース予定の40ゲームのタイトルを発表しました。その内の「鴻図之下」は三国志をテーマとしたゲームで、テンセントと祖龍娯楽が共同で開発したものです。」

 「ゲーム会社が乱立する中、同社はMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game、大規模多人数同時参加型オンラインRPG)の開発を特徴とする会社で、目論見書によると、2017~19年の同社売上高は13億1千万元、8億7千万元、10億6700万元で、経常利益は10億3600万元、6億9600万元、8億9千万元で、粗利率は78.1%、80.1%、83.4%に達します。」

 「2017~19年の売上高の内、テンセントからの売上高は5億1800万元、3億5500万元、5億8600万元で、全社売上高に占める割合は39.60%と40.77%、54.95%と50%を超え、今年の3月、同社とテンセントとの間で、2021年まで同社開発のモバイルゲーム、「鴻図之下」、「夢想新大陸」、「諾亜(ノア)の心」をテンセントによりリリースする契約を結び、さらに同社サーバーやその他コンピューティングインフラをテンセントクラウドに移転する契約も同時に行い、両社の関係を一層強化しています。」(了)

 ゲーム産業に対して時々国からの行政指導が入ることもありますが、グローバル市場でも依然生命力のある産業だと言えます。

 しかし、一日で75%も急騰する株はそうそうあるものではありません。運よくIPOの抽選に当たったらこの場合どうされますか。

 

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