フォーチュン500中国 業種に明暗

米誌「Fortune Magazine」は毎年の7月、フォーチュン・グローバル500(Fortune Global 500)の他、「財富中国企業トップ500ランキング」も発表しています。

中国企業トップ500は海外または国内市場の上場企業をピックアップした様々なデータが読み取れるランキングですが、売上高や利益の規模が大きいからと言って株価は上がるとは限りませんが、しかし、赤字企業の場合、その株価に連動していることはほぼ間違いないのでこれをご紹介しましょう。

2016年の「財富中国企業トップ500」の総売上高は昨年比1.2%増の約30兆7700億元、純利益は同1.5%増の2兆7400億元で、総売上高こそ2015年のGDP(国内総生産)の67兆6700億元の凡そ半分を占める規模になりますが、しかし売上高と利益の伸び率では、昨年のそれぞれ5%と6%と比べて大きく減少したことが同ランキングで明らかになっています。

上位50社中、約9割が香港市場の上場企業

「財富中国企業トップ500」の内、香港市場に上場している会社は38.2%を占める191社で、さらに上位50社のうち、88%が、上位100社まで拡大した場合、その75%が香港に上場している会社になります。

そして上位トップ4は昨年に続き、今年も中国石化(0386)と中国石油(0857)、中国建築(3311)、中国工商銀行(1398)の順で、独占と批判の多い中国石化(シノペック)と中国石油(ペトロチャイナ)はこれで15年連続1位と2位を占めることになります。

最も儲かる会社

「財富中国企業トップ500」は売上高のほか、利益の多い企業もランキングされています。今年も利益の最も多い企業は昨年に続き、四大国有商業銀行の工商銀行、建設銀行、農業銀行、中国銀行で、その内、中国工商銀行(ICBC)は2771億の利益を作り出して世界一利益の多い銀行とされています。

利益の最も多い上位20社の内、銀行、証券、保険など金融系は10社を占め、ITや通信系は4社(チャイナモバイル、アリババ、百度、チャイナテレコム)を占めていますが、四大国有商業銀行の純利益の合計は8567億元で、上位20社の純利益1兆6201億の内、約53%を占め、企業数でも純利益でも金融系は依然有利な立場に置かれていることがわかります。

金融市場の開放と国有企業の民営化の道はまだまだ長いことを裏付けされたのではないでしょうか。                   <続く>

 

 

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