大企業をクライアントに据える中軟国際(コラム公開)

 ソニーが応援する企業(ビリビリ)と伊藤忠が支援する企業(波司登)をこのコラムでご紹介しました。中国の大企業が支援する上場企業も取り上げたことがあります。「中軟国際」(0354)です。「クライアントがモノを言う?」、「30%増でもまだ天井ではない」を書いたのは2017年12月。その前の月、11月に当社、「京華投資視察団」が北京で同社を訪問しています。
 この会社に注目したのはさらにその2年前の2015年(同社訪問を企画したが、日程の調整がつかず、17年に訪問)。そして16年の8月当社有料の「中国企業情報」で、8月6日号で「華為(ファーウェイ)が資本参加した唯一の上場企業」で詳しく取り上げています。株価が3.1HKDだったと記録されていますが、先週金曜日(25日)の同社終値は13.920HKDだったので、約4.5倍の上昇。この上げ幅について満足する方もいて、5年間というロングスパンを考えると、ロスが多いと思う投資家もいらっしゃるかもしれません。
 5年前の有料情報ですが、以下、その一部を公開します。
 華為が資本参加した唯一の上場企業
 中軟国際は2015年10月26日、華為技術と、相互持ち株と株式買収契約を結んだと発表した。

 それによると、華為が一株当たり2.38HKDで、同社発行済み株式の3.97%に当たる8510万9515株を購入して同社戦略的投資家になることを承諾したこと、その代わり、両社が2012年4月共同出資(60:40)で設立された中軟国際科技サービスという会社の華為が保有する40%の株式を同社が同じく2.38HKDで全数買い取り、100%子会社化することを明らかにした。これにより両社は「合弁」から投資(株主)関係に変わり、両社の戦略的協力関係を一層強まることが期待されている。
 大手IT企業の投資と言えば、2006年に遡ってマイクロソフトが2000万米ドルを当時GEM市場に上場している同社優先株(約4%)に投資していることが明らかになっている。
 華為は最大の顧客
 2014年、同社売上高の内、華為からの売上高は全売上高の30%に当たる13億3700万元、2015年の同データは約38%の19億5300万元まで46%の大幅増となった。

 同社顧客に、華為のほか、マイクロソフトやテンセント、アリババ、HSBC、交通銀行、チャイナモバイルなど大手の名前がずらりと並べられ、上位10位の顧客の売上高は全売上の約60%を占めている。華為の資本参加で同社業務の安定性にも寄与すると期待されている。
 中軟国際は政府機関や通信、金融などの企業にITソリューションサービス、技術サービス、アウトソーシングサービスや技術トレーニングなどを行う企業で、しかしこれほど強いクライアントを持つソフト系の企業では、同社のほかあまり見たことはありませんでした。(有料情報完了)
 久しぶりに再度同社を取り上げたのには訳があります。

 

 

 

 

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