「高い株ほど良く上がる」

タイトルの言葉を良く覚えている方が多いと思います。そうなんです、邱先生が残してくれた言葉なんです。山東羅欣薬業(8058)を下見される時は同社の株価が0.5香港ドルだったのが、2年も経たないうちに2.5ドルになり、また更に1年も経たないうちに5ドルになって現在多くの株が低迷している中でも同社の株価は12~13ドルの間を推移しています。

2.5ドルの株価を0.5の段階で買った投資家から見ると、十分利益が出ているので利確を考えているものですが、しかしその企業の将来性を見込んだ投資家はそこから投資している方が私の周りに数多くいます。

「高い株ほど良く上がる」株にはテンセントもその一社です。

そのテンセントは今週18日、第1四半期の業績を発表しました。それによると、売上高は昨年同期比で43%増の49億5200万米ドル、純利益は同33%増の14億2100万米ドル、純利益率は同2%減少の29%、EPSは0.97元となっていると言います。(同社株主に外国人投資家が多いことで、決算報告書では人民元と共に米ドル表記も)経済がリセッションし多くの株が低迷を強いられる中で、30%以上の成長を続けている会社はそうそう多くないことが実情です。

ハンセン指数構成銘柄の中で、10%のシェアを占めているのがテンセントと香港上海銀行(HSBC)の2社だけで、株価は年始から今月18日までテンセントは5.6%上昇したのに対してHSBCは19.1%下落し、またハンセン指数も9.53%マイナスとなっています。シェア10%も占めるテンセントの株価の上昇がなければ、ハンセン指数はどこまで下がるかテンセントの業績に脱帽の思いで見せてもらいました。

IT大手3社のBAT(百度、アリババ、テンセント)を比較しても年初から米国上場のアリババは2.36%、百度は9.52%の下落で、こちらでもテンセントの「完勝」となることが分かります。

BATに関して言うと、テンセントには全くネガティブな情報が伝わらないことでも知られます。

ネット検索エンジン最大手の百度(BADU)は、検索ランキングの操作で、広告費を多く出していることだけを審査の基準にし、ライセンスや資質のない開業医でも広告費を奮発すれば上位にランクインされるように操作し、その情報を元にしてかかりつけた患者が死亡したことが公になり百度の株価は大暴落しています。

またアリババのEモール、TAOBAO(淘宝)やT―Mail(天猫)などに偽ブランド品が氾濫し、消費者から訴えられても改善が見られないことで、国際模倣対策連合(IACC)に今月一旦加入したものの、会員の抗議で加入資格を取り消され話題を呼んでいます。

アリババのジャック・マーは様々なフォーラムや講演会に積極的に顔を出し社会活動に参加しているのに対して、テンセントのポニー・マー会長は物静かで、事業家のイメージを国民にも投資家にも印象付けています。

第1四半期の売上高の内訳でも、本業の付加価値サービス(PCやモバイルゲーム)は34%増、ネット広告は73%増と、QQやWechat、テンセントニュースなどPCやモバイルを媒体とした収入を上げていることが明らかになっています。

そのテンセントは国内で上場していないため、直通車の開通で更なる国内投資家からの投資も予想されます。テンセントは今でも留まるところを知らない勢いで伸びています。

 

 

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