投資だけではなく、相互交流も期待

中国企業家クラブ(CEC)主催のオランド仏大統領との朝食会(11月3日)で最後に登場した復星集団(復星国際の親会社)の郭会長は世界80ヶ所以上にてリゾート施設を展開する世界的ブランド、Club Medを買収した経験を振り返り次のように述べています。

「この買収と投資の経験で、フランスは開放的で透明性の高い市場であることを私は感じた。なぜなら、中国の民間企業がフランスでいかなる偏見を持たれることもなく、歓迎されているからだ。中国の民間企業による海外投資または買収はここ数年勢いよく展開している。例えば、レノボはIBMの個人用PC業務の買収とその後に行われたモトローラ携帯電話部門の買収、万達が行ったAMCの買収など、2014年だけで中国企業の対外投資は民間を含めて1400億米ドルに達している。

これら投資の背後には、共通した筋書きがあると思う。それは中国企業にはお金があるということだけではなく、それより大事なのは中国には巨大とも言える成長のけん引力があるからだ。これまでの投資や買収もこのようなけん引力をもとにして行われたものだ。

王健林会長は中国経済について触れたが、私も今後数年間毎年5%~7%の成長を見込んでいる。5%~7%の成長でも世界シェアの30%を占めることになる。これがつまり、中国けん引力のよりどころだと思う。中国企業の海外投資とは、お金だけではなく、中国経済の成長というけん引力を海外に持って行こうということだ。もちろん中国の消費も含まれることだ。

次に、中国企業の海外投資には、まだまだ伸びる空間があると思うことだ。とりわけイギリス、アメリカ、ドイツと比較してフランスへの(投資の)空間が大きいと思う。2014年フランスにとって中国は9番目の海外からの投資国だが、しかしながらイギリスは(欧州における中国投資の)24%、ドイツは同22%を占めるのに対してフランスは15%に留まっている。中国とフランス経済には非常に強い補完性がある。中国の民間企業はハイエンドの製造業、原子力発電、ブランド品や化粧品、香水などの分野においてフランスで投資できる空間がまだまだあると思う。

最後に、いかなる国同士の交流でも幅広い協力のほか、民間による交流もとても大事なものだ。本日オランド大統領により相互交流の新しい道を開拓できたCECと我々企業家たちは今後より多くフランスで投資できるチャンスを見つけ出すことだけではなく、われわれはまた文化やスポーツ、ひいては食品でもより多くの交流の機会を作りたいと考える」とこのように述べました。

中国の企業家100名ほど出席した朝食会でしたが、企業家代表として前出数名が発言を行いました。これに対してオランド大統領は、現在フランスの企業3000社が中国で事業を展開し、50万人の雇用を創出している。一方、(フランスに進出した)中国の企業が200社を超え、現地で20000人の雇用を作り出している。フランスはヨーロッパにおける中国投資の3番目の国で、デジタル、映画、スポーツ、観光などのイノベーションの製品とCO2削減や排出権取引で協力できるよう期待していると挨拶し、フランスには中国企業に門戸を閉ざすセクターがないとして今後もフランス投資にビザの緩和など施策を取る用意があると表明しました。  <了>


 視察団 北京にて「中航科工」を訪問(11月6日)

 

 

 

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