米JLLレポート 中国の不動産価格は安定 

 不動産サービス大手の米ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)は最新リポートで、中国の不動産市況が「地価、住宅価格、予想を安定させる」を基調とする中、全国の住宅市場は全体的に安定を維持しており、不動産市場の回復も落ち着きを見せているとの見方を示した。
 中国国家統計局が発表した5月の主要70都市の商品住宅価格の変動状況によると、一線都市と二線都市の新築商品住宅価格の上昇率は前月比で横ばいまたは縮小し、三線都市は小幅に上昇した。
 複数の都市では年初以降、関連政策の見直しにより、不動産市場は一部で小幅に回復した。ただ、ここ2カ月間は、江蘇省蘇州市をはじめとする一部の都市が、一部の不動産販売市場や土地市場の急速な回復に対し再び引き締め政策をとった。
 JLLが調査した重点都市20カ所の不動産取引動向によると、5月の取引件数は前月から横ばいとなり、3月から続いた回復傾向はやや弱まった。リポートは市場の「小春日和」は部分的で小幅な回復に過ぎないという予想通りの展開となったとし、政策の一段の後押しがなければ不動産売買は今後も減速していくと指摘した。
 JLLの中国エリアリサーチ部門の責任者、姚耀(よう・よう)氏は、短期的に見るとマネーサプライ(貨幣供給量)の増加スピードは安定を保っているが、不動産政策の緩和には限りがあり、住宅市場全体の取引件数が増加を続ける可能性は低いと指摘。長期的には産業高度化の見込みがあり、人口の純流入が続く都市での住宅需要は有力な支持が得られ、地域一体化における都市群の発展が加速するとの見通しを示した。「新華財経速報」より

 

 

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