2018年金産業概況

 中国工業・情報化部によると、2018年、中国の金産業全体は安定し、産業構造が改善、海外進出に拍車がかかった。だが資源・環境の二重の制限を受け、生産コストは年々上昇しており、発展のモデル転換・高度化が待たれる。
 一、金の生産量は前年比で下降し、国内の資源保障は厳しい情勢を迎えている。中国黄金協会の統計によると、2018年、中国の金生産量は前年比0・7%減の513・9トン、12年間連続で世界首位を占めた。国内金鉱資源の品位低下や自然保護区・生態機能区の鉱業権整理などの影響を受け、国内原材料による金生産量は前年比5・9%減の401・1トンとなった。輸入原料による金生産量は23・5%増の112・8トン。
 二、金価格は全体的に安定し、消費量と取引量は前年比で拡大した。2018年、金の国際価格は安定し、平均現物価格は前年比1・2%高の1オンス当たり1270・6ドル(1ドル=約112円)。だが為替レートなどの影響を受け、中国国内の金の平均現物価格は1・5%安の1グラム当たり271・4元(1元=約17円)だった。国際政治・経済情勢の複雑化と貿易摩擦は、金のリスク回避需要を押し上げ、中国国内ではアクセサリーや金地金などの消費が大幅に増えた。ハイエンド電子製品も産業用金消費量の持続的な増加をけん引し、中国の金の消費量は5・7%増の1151・4トン、6年間連続で世界首位を占めた。また現物取引量は大幅に増え、上海金取引所の全品目の取引量は24・4%増の6万8千トン、取引高は22・2%増の18兆3千億元に上った。
 三、生産コストの上昇が続き、利益は小幅に下がった。金資源の品位低下、原材料価格上昇、人件費上昇などを受け、鉱物資源の開発利用の難度が高まり、開発コストが増していることから、金鉱の探鉱・採鉱・選鉱・製錬の固定資産投資は下降傾向を呈し、金1トン当たりの総合コストは大幅に上がっている。2018年、金の採鉱・選鉱の利益は1・0%減の93億元、製錬の利益は1・1%減の80億元だった。
 金産業の発展が直面する環境保護や資源の圧力は2019年、いっそう高まる見通し。産業のモデル転換・高度化の加速と国内外資源の開発利用の強化は、産業の質の高い発展の重点方向となる。(「新華財経速報」より)

 

 

中国経済News & topicsの最新記事